
佐世保市レッドデータブックを発刊しました。
1.はじめに
近年の急速な開発行為等による自然環境の改変により、野生動植物の生息生育環境が悪化し、絶滅または絶滅のおそれのある生物種が増加していることがわかってきました。多様な生物が生息生育する自然環境を維持できなければ、野生生物と共存してきた私たちの生活環境もまた損なわれてしまいます。私たちは生物の多様性を維持するために、絶滅のおそれのある野生生物の保護を図っていかなければなりません。
このような状況の中、本市では、市制施行100周年記念事業の一環として市内に現存する野生動植物を保護し、将来世代が現世代と同じように自然の恵みを享受できるよう、市内で絶滅のおそれのある野生動植物を把握し、その現状を明らかにするため、2001年6月から佐世保市レッドデータブックの作成に着手し、2002年12月に完成しました。
2 佐世保市レッドデータブックの概要
このレッドデータブックは、2002年5月13日に公表しましたレッドリストに基づいて、それぞれの種ごとに、生息生育環境や生存に対する脅威などの解説を記載したものです。
ただし、レッドリストでは548種を公表しましたが、その後の執筆過程において一部見直しが行われ、レッドデータブックには554種を掲載しています。
これらの選定種は、絶滅のおそれのある度合に応じて「絶滅危惧」、「準絶滅危惧」など7つのカテゴリーに分類されています。そのうち特に絶滅するおそれが高い種として341種を選定しています。
その中には、例えばランやエビネなどのラン科の植物、スッポンやメダカなど、以前は普通に見られていた野生生物にも現在では絶滅のおそれがあることが明らかとなっています。
また、市内で絶滅した種は、ナツエビネ(植物)やアリアケギバチ(淡水魚類)など10種となっています。
これらの原因として、開発行為等の社会経済活動や愛好家等による無秩序な捕獲や採取などが挙げられています。
また、市内において、希少野生生物が生息生育する地域や豊かな自然がみられる地域について、「保全することが望ましい地域」として提言されています。
3.カテゴリー
カテゴリーの定義については、環境省が1997年に採用したカテゴリーに準拠しつつ、本市の実情に応じたカテゴリーを設定しています。ただし、環境省カテゴリーでは、従来の定性的要件に定量的要件(数値的基準)加えたものを採用していますが、本市ではすべての分類群について数値的判断が難しいことから植物のみが定性的及び定量的要件を採用して評価し、その他の分類群については定性的要件で評価を行っています。
4.選定方法
動植物に関する学識者及び市内の有識者からなる「佐世保市レッドデータブック作成委員会」(委員長:中西弘樹長崎大学教授)を平成13年6月に設置、さらに、委員会のもとに各分類群ごとの専門部会(7部会:植物、哺乳類、鳥類、両生は虫類、淡水魚類、昆虫類及び底生生物)を設置し、既存の文献整理や委員の知見及び現地調査等に基づいて選定しました。
5.佐世保市レッドデータブック普及版
レッドデータブックの趣旨を広く一般のみなさまにも理解していただくことを目的として、レッドデータブック掲載種のうち210種を写真解説付きで紹介したハンドブックサイズの普及版をレッドデータブックと併せて発行しました。
6.今後の対応
レッドデータブックを市内の小中学校、高等学校や図書館などへ配付し、本書の趣旨を広く市民に周知を図り、絶滅のおそれのある野生動植物の保護への理解を深めてもらうよう努めていきます。
関係行政機関に配付し、各種開発事業や環境アセスメント等の資料として活用を図るよう呼びかけていきます。
また、当課としては、自然環境保全のための施策や環境学習等に有効活用していくとともに、継続的に野生動植物の実態把握調査を行うよう検討しています。
7.佐世保市レッドデータブック及び普及版の入手方法
一般の方には下記により販売します。
販売価格 : 佐世保市レッドデータブック 4,000円
普及版 1,500円
販売場所 : 佐世保市環境センター3階 環境保全課
佐世保市役所6階 行政資料閲覧コーナー
なお、郵送による申し込み(現金書留による)も受け付けております。
詳しくは、添付の「レッドデータブック購入方法について」をご参照ください。
※ご注意 本レッドデータブックは、2002年度当時の旧佐世保市域について作成しており、2005年度以降に合併した地域については記載されていません。あらかじめ、ご了承ください。
なお、2005年度に合併した吉井・世知原地区のレッドリストを別途公表しておりますので、下記のページをご参照ください。